病気はかかってしまってからの治療となると、発見が遅れて手遅れになるケースもある。早期発見早期治療といったことは非常に重要なことといえる。今後はそれに加えて、予防という点からも対策が必要になってくる。そもそも病気になりにくいようにしていくことで、体の負担や経済面での負担が大きく軽減できることになれば、個人から見ても国全体から見ても大きなプラスとなっていくだろう。
しかし、医師が直接予防医療にかかわるということになると難しいこともある。人員が限られていることから、日常的に体調などのチェックや管理が必要でも、一人一人に対応することが難しくなるということがあるからだ。人口の少ないところではそもそも医療機関自体が少ないということもありうる。予防医療は必要なことでありながら、医師による予防医療がなかなか広がらない理由はこうしたところにもあるのだ。
そこで予防医療に関われる存在として看護師が重要になってくる。現在でも訪問看護などで高齢者等の健康管理に深くかかわっている存在であるため、予防医療という点からも関わりやすいためだ。短時間の診療でしか関わらない医師より、そばで関われる看護師のほうが予防医療には大きな役割を果たせるだろう。今ある問題への対処ということだけではなく、生活の中から問題点を見つけ改善につなげていけるようなケアや指導を行うことが出来れば、これからの病気を予防していくことも可能になるだろう。